薬剤師の病棟常勤で医療費削減効果

北海道医療大学病院で、薬剤師の病棟勤務によって、年間約616万円の医療費削減の効果があったことが北海道医療大学薬学部病院薬学講座(同病院薬剤部)のグループによって明らかになった。

北海道医療大学病院は、24床の小規模病院で、医科と歯科の混合タイプの病院であるため、医療事故の注意などが必要になっていた。薬剤師の病棟常勤によって、処方の監視を強化することによって、医療費が削減できたということなのだ。

具体的には

持参薬鑑別による薬剤費削減効果

持参薬については、持参薬金額を薬剤費削減効果と見なし、342人分、4万6924剤の持参薬を鑑別したところ、合計金額は2012年度薬価換算で約193万9722円

病棟看護師の人件費削減効果

1年間病棟の薬剤関連業務に要した時間は合計245.5時間で、看護師の人件費削減効果は57万4470円となっていることが分かった。

薬物治療への介入による医療費削減効果

病棟薬剤師の介入によって薬が中止となったケースは54件あり、削減できた医療費は1万8870円分であることが分かった。副作用の出現と重篤化を回避したと考えられる事例は44件あり、少なくとも299万0240円分の医療費を抑制できた。治療薬中断による入院延長を回避したと考えられる事例は49件あり、少なくとも63万7000円分の医療費を抑制できた。

という医療費削減効果のデータが発表された。薬剤師の方にとっては、診療報酬に対して直接的に影響が薄いとして、なかなか進まない病棟薬剤師の拡大に一石を投じる調査データと言えるだろう。

ただし、病院の経営視点だけで考えれば、年間合計で616万円という削減額が物足りないのも事実である。薬剤師配置による医療安全への貢献をどう病棟薬剤師の雇用につなげるかは継続的に考えていかなければならない課題である。